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茄子を使ったシチリア郷土料理でワインとペアリング
茄子を使ったシチリア郷土料理でワインとペアリング
茄子は、私たち日本人の食卓でもポピュラーな野菜です。
これからの季節は特に美味しい野菜ですね。
こんな私たちに身近な野菜の茄子でも、イタリアを演出することはできます。
イタリアで茄子が有名な場所といえば、シチリア島です。
そこで今回は、茄子を使った郷土料理とシチリアのワインで、シチリアを演出したペアリングを見ていきたいと思います。
イタリアの最南端に位置するシチリア島は、温暖な気候で、食材の種類も豊富です。
また地中海の中心という立地から、さまざまな勢力・文化が交錯した歴史を持つ、文明の十字路と言われています。
そんなシチリア料理の一番の特徴は、歴史的な背景から、様々な食文化が融合されています。
11世紀以降、様々な民族や王家による支配を受ける中で、貴族の高級料理と庶民の貧しい料理が融合し、現在のシチリア料理が確立されてきました。
茄子については、13世紀後半にインドからパプリカなどと一緒にイタリアに伝えられたとされています。
当時はイタリアでは「不出来のリンゴ」などと呼ばれ、決して評判の良い野菜ではなかったようです。
ただ、茄子はアラブ各国料理で欠かせない野菜で、その影響も受けているシチリアを中心とする南イタリアでは広く受け入れられたようです。
茄子は、今ではシチリア郷土料理に欠かせない食材の一つになるまで根付いています。
シチリアでの茄子の下処理、使い方
シチリアに限らずイタリアでは、特に素揚げをする際は、茄子のアク抜きが重要なポイントです。
水に晒すのではなく、粗塩をふって一定時間置くのが、シチリアでは一般的なアク抜き方法です。
指定の厚さに切り、茄子の重さの1%程度の塩をふった後、上から重石をのせて約30分~1時間放置する。
しばらく置いて茄子の水分とアクが出たら、キッチンペーパーで水気をしっかりと拭き取ります。
このやり方で、素揚げする時に茄子がほとんど油を吸わないので、揚げ茄子のカラッとした美味しさがあるのに油っぽくない風味に仕上がります。
また茄子が褐色に変色するのも防げます。
カポナータ Caponata
カポナータは、シチリア島が発祥の煮込み料理です。
ナス以外にもズッキーニ、玉ねぎ、ピーマン、パプリカ、セロリなどの夏野菜を使い、これらに白ワインビネガーと砂糖を加えて煮込み、甘酸っぱい味わいに仕上げます。
前菜としてもメインの付け合わせとしても大活躍。そのまま冷製パスタに和えたり、メカジキの切り身を入れたりと自由度が高いのも魅力です。
甘酸っぱい味付けで、パンやグリッシーニと一緒に食べるのがシチリア風。
その地域に根付いた多くのアレンジレシピが存在しますが、一番メジャーなのが、素揚げしたナスなどの夏野菜とオリーブにトマトソースを加えた、シチリア北西部のパレルモ風です。
野菜の甘みに加えて、ビネガーの甘酸っぱいアクセントがたまらない料理で、程よいコクのある辛口白ワインはカポナータにとてもよく合います。
◎16041 Corvo
Bianco 19/20コルヴォ・ビアンコ
https://wine.kameyaweb.jp/aec/user/shohin_detail?item_cd=16041
シチリアの土着品種インツォリアとグレカニコのブレンドした、南イタリアの太陽の恵みを受けた心地よい酸味とフルーティーな味わいです。
ブドウ本来のフレッシュな果実味を生かすため、やわらかくプレスした果汁から造られます。
フルーティーで爽やかなすっきりとした飲み心地。
地中海をイメージさせるニュアンスいっぱいでシチリアワインを飲む醍醐味を味わえます。
ナスのコトレッタ Cotolette di melanzane
コトレッタとはパン粉で揚げた料理のことで、牛肉を使ったミラノ風をイメージされる方も多いと思いますが、シチリアのコトレッタにはナスを使います。
ナスにパン粉をつけて揚げた料理で、カリカリの衣とナスのとろっとした口当たりのコントラクションがクセになる味わいです。
前菜にもメインにもなる、白ワインを飲みながらつまむのにピッタリです。
◎41231Firriato Branciforti Cataratto 19ブランチフォルティ・カタラット
https://wine.kameyaweb.jp/aec/user/shohin_detail?item_cd=41231
シチリアの地場品種カタラット100%。
しっかりとしたボディーが特徴で、複雑でフルーティーな香り。
適度な酸味でドライな味わいが感じられ、バランスの取れた白ワインです。
ナスのパルミジャーナ Parmigiana di melanzane
薄切りにして揚げたナス、トマトソース、モッツァレラチーズ、そしてすりおろしたパルミジャーノ・レッジャーノを重ねてオーブンで焼き上げる料理です。
シチリア島のみならず、カンパーニャ州やプーリア州などイタリア南部でもポピュラーな料理で、様々なアレンジもされています。
茄子は最低でも3段重ねて、理想的なボリュームは5段重ねると、見た目だけでなく食べ応えも十分です。
フルーティーな赤ワインとの相性がいい料理です。
◎21351 Cusumano
Nero d’Avola 19 クズマーノネロダーヴォラ
https://wine.kameyaweb.jp/aec/user/shohin_detail?item_cd=21351
ネロ・ダーヴォラ100%。
熟したフルーツの風味やジュニパーのような独特な清涼感のニュアンスを持つ香りが印象的です。
味わいは、ソフトなタッチでタンニン分と酸味のバランスが取れています。
コクがありながら、まろやかな口当たりで飲みやすさも兼ね備えた、エレガントなシチリアらしさを持つ赤ワインです。
栓にはコルクではなくガラス栓の「ヴィノ・ロック」を使っており、開ける時もソムリエナイフ不要で、繰り返しの開け閉めも可能です。
ノルマ風パスタ Pasta alla Norma
ナス、バジルとトマトソースに塩気のあるリコッタ・サラータを使う、カターニア地方の名物料理です。
この地方の最高傑作の代名詞、ベッリーニのオペラ「ノルマ」のようだ、と言われたことが料理名の由来です。
リコッタ・サラータはフレッシュなリコッタチーズを乾燥させて、塩揉みした後に熟成させた、セミハードタイプのチーズです。
日本で入手しにくいかもしれませんが、このパスタにとってはとても大事なものになります。
パスタは、リガトーニやペンネなどがよく使われます。
地中海の畑の恵みをぎゅっと凝縮させたようなこの料理は、シチリアの太陽が感じられる白ワインとの相性がいいです。
◎11376Planeta La Segreta Bianco 21 プラネタラセグレタビアンコ
https://wine.kameyaweb.jp/aec/user/shohin_detail?item_cd=11376
グレカニコ50%、シャルドネ30%、ヴィオニエ10%、フィアーノ10%。
気取らずにカジュアルなシチュエーションで楽しめるフレッシュな白ワインです。
アロマには、フレッシュな柑橘系、白桃にパパイヤやカモミールなどを想わせる、地中海らしい独特のニュアンスを感じます。
メカジキとナスのパスタ Pasta con pesce
spada e melanzane
シチリアで夏によく食べられる定番のパスタです。
ミントを加えることで、清涼感のある香りが生まれて、風味のアクセントになります。
◎17730 Paccamora
Inzolia 18/19 パッカモーラインツォーリア
https://wine.kameyaweb.jp/aec/user/shohin_detail?item_cd=17730
インツォリア
洋梨・桃・パイナップルのアロマが広がり、さらに透明感ときれいな酸味がワインに上質さを加えている。シチリアの土地の個性を十分に引き出している白ワインです。
「土着品種をモダンな味わいで、しかも適正価格で世界に通用するワインを造る」というプロジェクトにアルベルト・アントニーニが参加し、産み出されたブランドです。
今回は、イタリアの奥深さをお客様に提案すると共に、秋を感じる茄子を使ったシチリア料理の演出を紹介しました。
暑い季節にぴったりの料理とワイン、是非とも提案してみてください。