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海を感じるリグーリア郷土料理とワインのペアリング
海を感じるリグーリア郷土料理とワインのペアリング
海を感じる地域は色々ありますが、リグーリア州の料理とワインはご存知ですか?
そこで今回は、新鮮な海の幸とこの地方独特のワインで世界中の観光客を魅了する、リグーリア州の郷土料理とワインのペアリングを見ていきたいと思います。
リグ―リアの食材と郷土料理
リグーリア州の郷土料理は、典型的な地中海料理で、海の幸と山の幸がバランスよく使われています。
柑橘類も栽培され、繊細なオリーブオイルも有名です。
DOPにも認定されているリヴィエーラ・リグレのオリーブオイルは、控えめで繊細な香り、非常にエレガントな味わいで魚介料理との相性が抜群です。
またローズマリー、タイム、バジルなどのハーブも、非常に香り高いものが採れます。
◎なんといっても有名なのは、松の実をすりつぶしてパルミジャーノチーズとオリーブオイルを入れた「ペスト・ジェノベーゼ」でトレネッテ、トロフィエなどのパスタと和えるのが定番です。
◎ラヴィオリの一種に胡桃のソースをかけた「パンソーティ・コン・ラ・サルサ・ディ・ノーチPansoti con la salsa di noci」も山の幸をうまく利用したリグーリアらしい料理です。
「ブリッダBuridda」は干しダラなどを使ったスープで、「チュッピンciuppin」は魚を裏漉ししたスープです。
◎「カッポン・マーグロCappon magro」は大皿の上に10種類近い魚介類、野菜を盛り付けるという豪華な料理で、伊勢海老を盛り付けるゴージャスなバージョンもあります。
また、「サラダの女王」の異名を持ちます。普段の料理というよりは、クリスマスや御祝いの時など特別な日に振る舞われるおもてなし料理とされています。
◎「チーマ・アッラ・ジェノベーゼCima alla Genovese」は仔牛のミンチ、胸腺、野菜、ゆで卵、松の実などを大きなロールにして火を通して、それを冷製にして食べるもので、地元の食料品店でよく見かけます。
リグ―リア州のワインの特徴
リグーリア州は平野がなく耕作可能な土地が非常に少ないため、ワインの生産量はイタリアの州の中で2番目に少ないです。
そのほとんどが地元住民と多くの観光客によって消費されるので、リグーリア州のワインを入手するのは簡単ではありません。
その中でもこの州からは、土着品種から造られる魅力的なワインが生み出されています。
生産されるワインは白ワインが主体です。
成熟した果実味、爽やかなアロマとフレッシュな飲み口があり、豊かでバランスの取れた味わいのものが多いです。
後口のかすかな苦みやミネラルのトーンがアクセントとなり、この地方の郷土料理と絶妙な相性を生み出しています。
ピガート、ヴェルメンティーノでは、香り高く心地よい塩っぽさを持つフレッシュな白ワインが造られ、ボスコ、アルバローラでは個性的で複雑な白ワインが造られます。
また、ロッセーゼからは果実味豊かでバランスの取れた味わいの赤ワインも造られます。
州内の産地は、ジェノヴァから西がリヴィエーラ・ディ・ポネンテ、東がリヴィエーラ・ディ・レヴァンテと呼ばれています。
東のリヴィエーラ・ディ・レヴァンテでは、DOCチンクエ・テッレが有名です。
ボスコ、アルバローラ、ヴェルメンティーノで造られる白ワインですが、手造りの農夫的なワイン造りをする生産者が多いです。
DOCリヴィエーラ・リグレ・ディ・ポネンテでは、ピガート、ヴェルメンティーノから素晴らしい品質の白ワインが生まれています。
石灰土壌で生まれるこれらの白ワインは、みずみずしい味わいと心地よいミネラル感が特徴で、魚介料理との相性は抜群です。
トスカーナにまたがるDOCコッリ・ディ・ルーニの石灰質土壌では、ミネラル分あふれる優美なヴェルメンティーノが造られています。
67206 Lunae Vermentino Etichetta Grigia 21
DOCコッリ・ディ・ルーニ
ブドウ品種:ヴェルメンティーノ100%
リグーリア州を代表する造り手の一人、ルナエの「ワイナリーの顔」とも言えるワインです。
調和がとれていながらも際立った個性を持った、ルナエ社の哲学を完全に反映させたワイン。
黄金色がかった薄い黄色。濃厚でエレガントなブーケ。
花やフルーツを思わせるフレッシュで調和のとれた味わい。
余韻にはバランスのとれたミネラルが感じられます。
ジェノヴァでは、新鮮な海の幸を使った揚げ物が欠かせません。
フリット・ミストは、新鮮な小魚やコウイカ、海老などを丸ごとカラッと揚げたものです。
ヴェネツィアやサルデーニャなどイタリア中で食べられる料理ですが、リグーリア州ではイワシのフライが入っているのが特徴です。
サクッと軽い食感についつい手が伸びてしまいますね。
57847 Punta Crena Rossese プンタ・クレーナ ロッセーゼ
DOCリヴィエーラ・リグレ・ディ・ポネンテ
ブドウ品種:ロッセーゼ100%
スパークリングや白ワインがペアリングの定番ですが、魚介料理に合う赤ワインはいかがでしょうか。
地場品種のロッセーゼを使ったこの赤ワインは、アセロラやさくらんぼを想わせる甘酸っぱい果実の風味と、タンニン分が少ない柔らかで滑らかな味わい、余韻にエキゾチックなスパイスも風味が残ります。
口当たりの軽やかさと海の近くで栽培されたことによる塩味もあり、魚料理との相性がいい赤ワインです。
ロゼワインと同じように冷やして飲むのがオススメです。
(ペアリング)玉ねぎ、黒オリーブのフォカッチャ
お馴染みのフォカッチャは、ジェノヴァが発祥と言われています。
実に様々な種類のフォカッチャがありますが、今回はリグーリア州特産の黒オリーブを練り込んで、玉ねぎをトッピングしたフォカッチャでいかがでしょうか。
パリッと焼き上げた香ばしさとふわっと立ち上がるオリーブオイルの香り、噛み締めた時の食感や口に広がる風味がなんとも言えませんね。
38000 Punta Crena Pigato Ca da Rena
プンタ・クレーナ ピガート "ヴィニエート・カ・ダ・レーナ"
ブドウ品種:ピガート 100%
DOCリヴィエーラ・リグレ・ディ・ポネンテ
合わせるなら白ワインですが、リグーリアのフォカッチャなら地場品種を合わせたいですね。
ここはピガートでいかがでしょうか。
柑橘系や青リンゴのような爽やかでフレッシュなアロマですが、口に含むと香りの印象より味わいに厚みがあります。
品種に由来する苦味、そして塩味を伴うミネラル感が印象的な味わいで、満足感があります。
(ペアリング)ペスト・ジェノベーゼのパスタ
リグーリア州と言えば、やはりペスト・ジェノベーゼですね。
メイン料理や野菜のソースにも使われますが、今回はスタンダードにパスタに絡めてみましょう。
日本で食べるなら、ロングパスタはリングイネがオススメですね。
41033 Cantina Cinque Terre Cinque Terre 20
カンティーナ・チンクエ・テッレ チンクエ・テッレ
ブドウ品種:ボスコ 60%、アルバローラ25%、ヴェルメンティーノ15%
DOCチンクエ・テッレ
チンクエ・テッレの畑に適合する土着品種ボスコからは、アロマティックでハチミツのような甘味を持つブドウが生まれます。
ボスコ種から生まれる柑橘系や黄色い花、エレガントなアロマ、ミネラル感を伴ったフレッシュな味わいが余韻まできれいに持続します。
リグーリア州には有名な料理もありますが、お店で扱ってこなかった斬新な料理とワインがまだまだありそうですね。
イタリアの海を演出するリグーリア州の料理とワイン、是非とも試してみてください。