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タンク内発酵(一般的にシャルマ方式と呼ばれる)について
瓶内二次発酵だけじゃない、タンク内発酵(シャルマ方式)で造られる高品質なスパークリングワイン。ブドウが持つアロマやフレッシュな果実味を最大限に引き出した理にかなった方式』
このコラムがサービス時のお客様との会話のきっかけに、また、お客様と通ずる何かのきっかけになっていただけたら幸いです。
◎覚えておきたいセールストークは、、、、
Asti D.O.C.G:『ホワイトローズを中心としたアロマティックな香りが魅力のブドウ品種モスカート。Moscato d’Astiのような微発砲のテクスチャーも魅惑的』
Brachetto d’Acqui D.O.C.G:『薔薇や麝香の香りが特徴的なブドウ品種ブラケット。サービスの温度帯も広く、甘口のものはチョコレートとの相性が良く、辛口のものも華やかな香りが印象的』
Lambrusco:『ソルバーラ種が人気で、ブドウ品種個性であるチャーミングな果実味と快活な酸味を生かしたワイン』
Prosecco:『アロマティックなブドウ品種グレーラから造られる、柔らかな口当たりの辛口ワイン。白桃の香り、クリーミーなテクスチャーと鮮度感が突出』
今回お話をするタンク内発酵のワインは、ピエモンテ州の代表的なワイン、アスティの醸造に関して生まれたものだと言われています。フェデリコ・マルティノッティ氏が開発したことからマルティノッティ方式として知られ、その後にシャルマ氏が特許申請をした事により現在はシャルマ方式が一般的となったようです。
タンク内発酵のスパークリングワインに求められる個性は「クリーミーな泡立ちと香りや果実味の鮮度感」です。
瓶内二次発酵のワインよりも工程が簡素なために、カジュアルワインの印象が強いようですが、本来はブドウが持つアロマやフレッシュな果実味を損なうことなく瓶詰めすることが目的であり、出荷されてから熟成させることなく、低めの温度で清涼感を引き出すサービスが求められます。
ここからはイタリア国内で代表的なタンク内発酵ワインの生産地域やトレンドをお話します。
最初に Asti D.O.C.G
世界のタンク内発酵はここから始まったと言っても過言ではないでしょう。
ホワイトローズを中心としたアロマティックな香りが魅力のブドウ品種モスカート・ビアンコを甘口と辛口両方のテイストで造ることが可能で、Moscato d’Astiのような微発砲のテクスチャーも魅惑的です。8℃位までしっかりと冷やしてデザートやフルーツと合わせることが多いように見られますが、白身魚や淡水魚、鶏肉の調理に使われることもあります。
次にAstiと地域的に近いBrachetto d’Acqui D.O.C.G
薔薇や麝香の香りが特徴的なブドウ品種ブラケットから造られる赤ワインでタンク内発酵で造られるのが一般的ですが、瓶内二次や陰干しのワインなどテクスチャーの違いも楽しめます。アスティと同様に甘口と辛口両方のテイストで造ることが可能で、サービスの温度帯も広く、甘口のものはチョコレートとの相性が良く、辛口のものも華やかな香りが印象的でカカオを練りこんだパスタや鴨肉などの料理に合わせることで個性的なペアリング提案が出来ます。
そして歴史があり、日本でも有名なLambrusco
イメージとしては、グラスパロッサ種の紫で濃い色調、凝縮感のあるジューシーな味わいかと思われますが、近年はロゼに近い色調で華やかな味わいのソルバーラ種が人気です。田舎方式とも呼ばれる瓶内一次発酵のワインが伝統的ですが、タンク内発酵でブドウ品種個性であるチャーミングな果実味と快活な酸味を生かしたワインが多く、サラミなどの肉加工品やパルミジャーノチーズ、肉ラグーソースのパスタなどと合わせて欲しいワインです。
最後に今世界で大人気のProsecco
程良くアロマティックなブドウ品種グレーラから造られる、柔らかな口当たりの辛口ワイン。
生産地域が広く、標高や土壌の違いも大きく分かれるので一言でその個性を伝えるのは難しく価格帯の差も大きいので、どのワインを選ぶか悩ましいところです。日本ではカジュアルワインの代表格のような捉えられ方をされているかもしれませんが、高品質のプロセッコはフレッシュな白桃の香り、クリーミーな口当たりと鮮度感が突出しており、今後の市場においてタンク内発酵スパークリングワインの代表格として、アッパーレンジのプロセッコが増えていくことが期待されます。