お客様のリクエストとして「ビオやナチュールワインが好きなのですが、何かお勧めはありますか?」に対してNO1


「毎月のおすすめワインの選定に困る、季節の食材に合ったワイン選び、ペアリングが難しいと思われる食材、知っておきたいワインの知識、、、」など当社ワインアドバイザー永瀬氏にレストランで役に立つトピックスを解説して頂きました。ぜひご活用ください。


ビオやナチュールワインが好きなのですが、何かお勧めはありますか?」を検証します。

このリクエストに対して、イタリア料理店としての観点から、どのような準備が出来るかを考えてみたいと思います。

お客様のお好みに寄り添いながら、ペアリングの考察なども含めて、お客様の好奇心をき立てるワイン提案が出来れば、またこのお店でワインが飲んでみたいと思っていただける絶好の機会となるはずです。


今回の知っていただきたいテーマは


ビオやナチュールワインが好き」という、今までのテーマ以上に、日本全国で最も多い事例ではないかと思いますが、このリクエストに対して、イタリア料理店としての観点からワイン提案が出来るように準備しておければ、様々なお客様のニーズに答えれるはずです。


このコラムがサービス時のお客様との会話のきっかけに、また、お客様と通ずる何かのきっかけになっていただけたら幸いで



◎覚えておきたいセールストークは、、、、

ビオやナチュールと呼ばれるワインはどのようなワインなのでしょうか?まずはブドウ栽培環境を理解していきましょう。

一般的には有機やビオロジック、ビオディナミ、自然派やナチュールなどに分類されていると思います。

そしてオーガニックやビオロジック、ビオディナミは栽培環境に関する畑での事例であり、自然派やナチュールは醸造も含めたワイン造りの方向性と言えるでしょう。

 

まずは栽培環境に関するところから見ていきましょう。

栽培環境に関する事例として、認証を取っているかどうかを気になさる方がいらっしゃいます。

認証といっても世界中には国家的なものからグループ的なもので多くの基準が設けられています。何らかの認証取得の証があれば分かりやすいと思いますが、認証の証がないものは栽培環境に配慮していないワインなのでしょうか

 

ある生産者が認証の条件内で栽培していたとしても、畑が密集している所で隣の畑の僅かな事由で認証の妨げとなる事は多々あります。

逆に近隣に生産者がおらず、認証を取得しているけど栽培に必要なケアが十分でない可能性を持った生産者もいるでしょう。

 

またオーガニックを含む有機農法を意味するビオロジックを実践していても、公的な認証を取っていなければ日本でのみ通用する「有機農産物加工酒類」の表記はできません。

またビオディナミはドイツやオーストリアで活躍した学者ルドルフ・シュタイナーが提唱した理論に基づいて生まれた農法で、農事歴を活用して植物が持つ生命力を自然界のエネルギーで活性化し、安定した農業を目指そうというものです。月や惑星の動きと植物の成長を調和させることを重要視しており、一般的にビオカレンダーと呼ばれる農事歴で栽培スケジュールを立てていきます。


どちらも認証取得には多くの費用が必要とされ、純粋にワイン造りをしているのであれば認証は不要と考える生産者もいるでしょう。



“ビオ”ワインを所望されるお客様へのアプローチ

今回は栽培環境だけのお話をしましたが、”ビオ“という言葉にお客様が何を所望されているかに寄り添う必要があります。

次回は醸造も含めたより複雑な理解が必要な「自然派」のお話をしたいと思いますが、まずは「ビオ」というキーワードだけでも様々な好みが想像されます。

 

・認証は取得していなくとも、素晴らしいブドウ栽培から出来る上質ワイン

・何らかの認証をとったワインが飲みたい


・日本国内に浸透した「ビオ臭」や「無濾過」などの個性を持つ手造り感のあるワイン


今回お勧めするのはどれも自然に配慮した栽培を取り入れ、品種個性の際立ったワインばかりです。


御自身がお仕事をされるお店のお料理やコンセプトに合わせて、偏りなく適切なワイン選びを心掛けていきたいですね。

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