お客様のリクエストとして「ビオやナチュールワインが好きなのですが、何かお勧めはありますか?」に対してNO2


「毎月のおすすめワインの選定に困る、季節の食材に合ったワイン選び、ペアリングが難しいと思われる食材、知っておきたいワインの知識、、、」など当社ワインアドバイザー永瀬氏にレストランで役に立つトピックスを解説して頂きました。ぜひご活用ください。


ビオやナチュールワインが好きなのですが、何かお勧めはありますか?」の第2弾です。

このリクエストに対して、イタリア料理店としての観点から、どのような準備が出来るかを考えてみたいと思います。

お客様のお好みに寄り添いながら、ペアリングの考察なども含めて、お客様の好奇心をき立てるワイン提案が出来れば、またこのお店でワインが飲んでみたいと思っていただける絶好の機会となるはずです。


今回の知っていただきたいテーマは


「自然派」や「ナチュール」と呼ばれるワインはどんなワイン?前回お話したオーガニックやビオロジック、ビオディナミは栽培環境に関する畑での事例であり、自然派やナチュールは醸造も含めたワイン造りの方向性と言えるでしょう。このリクエストに対して、イタリア料理店としての観点からワイン提案が出来るように準備しておければ、様々なお客様のニーズに答えれるはずです。

このコラムがサービス時のお客様との会話のきっかけに、また、お客様と通ずる何かのきっかけになっていただけたら幸いで



◎覚えておきたいセールストークは、、、、

そもそも何故「自然派」というキーワードは生まれたのでしょうか?

私個人の見解として、90年代頃から始まったスーパーワインブームの反動ではないかと思います。それまでは、世界それぞれのワイン生産地で受け継がれてきた“土着品種”をそのブドウ品種や食文化、気候などの外的要因に合わせた伝統的な醸造方法に基づいたワイン造りが行われていたように思います。

ワインブームの到来により、醸造技術の革新などの恩恵もありましたが、ワイン造りの均一化が進み従来の品種から国際的なブドウ品種への転換、過度な密植や凝縮、酵母や色素、酸味や糖度まで調整することで芸術的なワインを生み出そうとする過程の中で「自然さ」が失われたり、健康被害が生まれたりしたのでしょう。




そのような時期が続く中で、本来あった自然な姿に戻るワイン造りをする生産者が増える事が「自然派」という動きとして注目されるようになりました。


つまり「自然派ワイン」とは、ブドウ品種本来の魅力的個性を引き立てるように無理なく栽培しながら、自然の脅威に対する適切な対応をしながら健康的なブドウを生育。そしてそのブドウがストレスなく、最大の魅力を発揮できるような醸造でサポートして、瓶詰後も安定的な状態になるようなケアをして、すくすくと自然に良いワインに成長できたワインを示すと考えています。この観点から考えれば、“何もしないこと”がストレスになったり、発酵に手間取ったり、ダメージを受けたりということに繋がる可能性を秘めています。

 昨今の健康ブームとナチュールという概念を同様に捉え、「自然派」だけが身体によく、ワイン造りに何らかのアプローチをすることが、添加物を加えるようなイメージを持って敬遠するような思考になることはとても残念と思います。


ケアすること=手を加える=不自然と捉えずに、ブドウがワインになるまでの過程を見守り、健全に育ったワインをより輝かせることが私達に求められる時代になったのでしょう。


“自然派”ワインを所望されるお客様へのアプローチ

今回は「自然派」という言葉へのアプローチの仕方について、個人的な見解を申し上げました。このコラムを読んでくださる方々それぞれの見解もあるとは思いますが、何はともあれ、お客様が所望する「自然派」に寄り添う必要があります。

 ・ブドウ本来の個性が際立った、自然な過程で健全に仕上がった上質ワイン

・人為的な介入が極めて少ない過程を経て出来上がったワイン

・日本国内に浸透した「ビオ臭」や「無濾過」などの個性を持つ手造り感のあるワイン


今回もお勧めするのはどれも自然に配慮した栽培を取り入れ、品種個性の際立ったワインばかりです。御自身がお仕事をされるお店のお料理やコンセプトに合わせて、偏りなく適切なワイン選びを心掛けていきたいですね。


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