イカやタコ、そして海老やカニといった甲殻類に合わせるワイン

今月のお勧めワインは、これからの時期に美味しくなってくるイカやタコ、そして海老やカニといった甲殻類に合わせるワインをお勧めしたいと思います。

一般的にイタリア料理ではこれらの食材は生のまま食べる事は少なく、軽く火入れをして前菜に使われたり、もしくはパスタのソースになることでしょう。それ以外にもフリットやグリルをしてメイン料理のように食べられる方法があると思われます。

甲殻類が持つ硬いミネラル感に合わせるように、ワインも同じようにしっかりとした構成を持ったミネラル分を有するワインを選ぶ方法が1つ。

またはワインの海洋性ミネラルで甲殻類が持っている旨味を引き出し、旨味を甘みに変えるような構成を持つワインを選択するのも面白いでしょう。

「魚介類には白ワイン」のイメージが強いかもしれませんが、海洋性ミネラルである塩味を持ったロゼワインや軽やかな赤ワインなどと合わせてみても良いのではないでしょうか。

さらにトマトと一緒に料理をするのであれば、赤ワインを選択することも考慮していきたいですね。

①No45021 Tonello Io Teti Lessini Durello Spumante Extra Brut

ドゥレッラ種は濃い黄色の色調で高い酸を持つことが特徴のワインです。標高が高く、石灰の多い場所でブドウが栽培されることから非常に硬いミネラルを持っています。このワインは瓶内二次発酵を経ているためにやや密にも似たような熟成感があり、甲殻類のミソの部分と合わせても面白いペアリングが感じられるでしょう。ワインの硬質なミネラル感がエピカや甲殻類の食感とよく合い、フリットなどでは油脂分を洗い流すような効果も期待できます

②No40712 Villa Matilde Falerno del Massico bianco

カンパニア州の西側、海に近い地域であるカンピ・フレグレイで造られるファランギーナ種は、伸びのある高い酸が特徴のワインであり、さらに海洋性ミネラルである塩味を含みやすい性質を持っているのでワインの中にも塩味と酸味がしっかりと充実したワインとなります。軽く火を通した甲殻類やイカ、タコなどのサラダ的な前菜によく合うのではないでしょうか。オリーブオイルをベースとしたパスタにハーブを効かせても相性が非常に良さそうです。