永瀬氏のお勧めワイン①~スパークリングワインの選び方~

今月のおすすめワインは、ほぼ全てのお店で取り扱いがあると思われるスパークリングワインの選び方についてお話をしたいと思います。


お客様のお好みに寄り添いながら、ペアリングの考察なども含めて、お客様の好奇心を搔き立てるワイン提案が出来れば、またこのお店でワインが飲んでみたいと思っていただける絶好の機会となるはずです。




主に食前酒として扱われることが多いスパークリングワインですが、どのようなワインを選ぶかはお店により様々です。アペラシオンや仕入れ価格等に加えて好みもあるかと思われますが、実際にはどのようにワイン選びをしているのでしょうか?


スパークリングワインを選ぶときに考える一つ目の選択肢は製法です。

一般的に3種類の製法に分かれ、田舎方式とも言われるメトド・アンチェストラーレ、ステンレスタンク内で二次発酵を行うシャルマ方式、瓶内で二次発酵を行うシャンパーニュ方式に分かれます。
アンチェストラーレで造られるワインは、ぶどう品種の個性やピュアなぶどう本来の旨味が瓶の中に詰まった、生搾りのフルーツジュースのような凝縮した果実味が魅力で料理に対して生フルーツを加えるようなペアリングの際にとても重宝します。


シャルマで造られるワインは嫌気的にフレッシュ感を重視しており、フレッシュでキレのある味わいが特徴です。こちらも比較的ぶどう品種個性がよく現れた味わいのものが多く、料理に対してフレッシュ感や爽やかさを与えたいときに良いでしょう

瓶内二次のワインは芸術品と言っても良いようなワインです。理想の味わいのベースとなるワインを造った後に、長い時間をかけて複雑味や旨味を増し、熟成感も感じられるしっかりとした味わいなので、旨味のしっかりとした料理、もしくは単体でも十分に楽しむことができるのが特徴です。



製法の次に考えたいのが土壌由来のミネラル分に起因する口当たりの違いです。

 

 一般的には標高が高ければ酸の質も上がり伸びのある酸味ワインに存在するのに対して、湖の近くなど比較的標高の低いところで造られるワインには穏やかな口当たりが生まれます。

 粘土質土壌ではストラクチャーのしっかりとした果実味豊かなワインになるのに対して、石灰や砂質土壌で造られるワインは華やかさとしなやかな口当たりが特徴となります。また氷堆積土壌では硬質ミネラルウォーターのような硬い口当たりのワインが生まれます。 

 

スパークリングワインを選択する際にどれくらいのボリューム感とのような口当たりのワインを、お客様に飲んでいただきたいか、またコース料理を提供するようなお店であれば最初の一皿にアプローチできるようなストラクチャーを考えていきたいですね。




3番目の選択肢は色合いです。

 

 一般的に白かロゼワインが考えられ、多くのお店で白のスパークリングワインを選ばれる方が多いことでしょう。

ブドウ品種によって個性は違いますが、控えめな果実としなやかな酸味、キレを楽しめる白は使いやすさもありますが、黒ブドウならではの果実味やタンニンを感じるロゼも選択肢に加えて欲しいですね

 

さらにコース料理においてペアリングをしているお店にとっては最初のスパークリングワインをどちらの色にするかはその後に続く料理に合わせるワインの色とも関係があります。


仮にスパークリングワインの後に提供される前菜が3皿ほど続くときに、そのどれもが白ワインで合わせたいのであればお客様に飽きを感じさせないよう最初のスパークリングワインをロゼにする、もしくは前菜でロゼワインを使いたいのでその前のスパークリングワインを白にするなど、一連の流れを考えたスパークリングワインの選択も考慮に入れて欲しいところです。

   

最後にその時々のトレンドも加味してワイン選びも重要です。


イタリアにおけるスパークリングワインと言うと、近年はプロセッコやフランチャコルタを採用するお店が多かったように思われます。

またシャンパーニュをお好みのお客様も多い日本では高い酸と硬質なミネラル分を持ったスパークリングワインが好まれる傾向もあります。

イタリア国内ではヴェネト州北側でドゥレッラ種から造られるレッシーニ・ドゥレッロやピエモンテ州南部で造られるアルタ・ランガがトレンドと言えるでしょう。

   

スパークリングワインの価格も少し上がっておりますが、グラスワインでスパークリングワインを使うことを考えると瓶内二次発酵のように泡立ちがワインの中に溶け込んでいるものの方が泡の持続性も長く、しっかりとした保管をしていれば2日にわたりワインを使うこともできるので、ロスの低減にもつながるかと思います。

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