ソアヴェでいただく美食


ソアヴェと聞くとワインを思い浮かべると思いますが、種類豊富な料理も揃っています。ヴェネト州ヴェローナ県に位置するソアヴェには、伝統料理でもある魚やジビエ肉を使用した料理、さらにドルチェも独自の味が楽しめます。今回は、ソアヴェで食べるご馳走をご紹介します。ビゴリ、バッカラ、そしてワインをお楽しみください。

 

 

ソアヴェはイタリアを代表する最も美しい町

 


イタリアでもワインで有名なソアヴェですが、2022 年のボルゴ・デイ・ボルギ(Il Borgo dei Borghi)としても知られています。

ボルゴ・デイ・ボルギとは、イタリアのテレビ番組Raiで放送されているプログラム「 キリマンジャロ(Kilimangiaro)」で小さな町を紹介し、中からその年の1番を決める番組です。

誰もが知るローマやフィレンツェ、ミラノではなく、イタリアにある田舎町に注目して毎年どこか懐かしいノスタルジックな素敵な町が選ばれます。小さな町の知名度を与える人気のあるイベントで、イタリア人が地元の観光や食に興味を持っていることを表しています。

ヴェローナ県では、ソアヴェの ほか20 の町がノミネートされ、ソアヴェが昨年優勝を獲得しました。

 


ソアヴェの魅力


 

ソアヴェワイン生産の本拠地であり、ソアヴェ城の城壁周辺に広大なブドウ畑が広がっています。ワインの町として知られソアヴェの町中には多くのワイナリーがあり、ソアーヴェ協同組合ワイナリーはイタリアで最も古いワイナリーの 1 つです。設立は 1898 年に遡り、現在では 2,000 人以上の会員がいるそうです。

町中には、自然の中を曲がる細い道があり、馬が通るほどの小道で乗馬を楽しむ人がいます。サン ロレンツォ教会、カヴァッリ宮殿など、中世の歴史も残されています。

中世の芸術的な美しさだけでなく、多くの料理やワインも人々を魅了しています。陸と海の料理、あらゆる好みに合うものが揃っています。

 

 

Risotto al tartufo


ソアヴェのあるヴェローナ県は水田で覆われ、ヴィアローネ ナノ米(Vialone Nano)が栽培されています。冬の季節に楽しむ最初のコースはリゾットです。

有名なリゾットは、ヴァルポリチェッラのワインで調理されたリゾット・アッラマローネ(Risotto all'Amarone)、ミートブロースを使用したベネチアンリゾット(Risotto alla veneta)、そしてトリュフリゾット。トリュフリゾットは、シンプルでありながらチーズもたっぷり入った温まる料理です。

 

Bollito con pearà

「ボリート・コン・ペアラ」クリーミーなソースが添えられた柔らかい牛肉と一緒にいただくヴェロネーゼ料理でもあるジューシーな味です。

ペアラというソースは、ヴェネト州の外ではあまり知られていないので馴染みがないかもしれません。牛肉のブロース、パン粉、バターなどで作られたソースは、牛肉と一緒に提供されます。冬に食べるのが最適な料理で、ヴェネト州のメニューリストに多く登場しています。写真には、冬の伝統料理でもあるポレンタも添えられています。

 


 

ソアヴェの町中でいただく「ビゴリ」Bigoleria Alla Rocca

 

ソアヴェの歴史的中心部でもある中世の城壁の隣に「Bigoleria Alla Rocca 」があります。メインディッシュは、ヴェネト地方発祥の長くて粗めの卵パスタ、おいしいビゴリです。昔ながらの素朴で親しみやすい店内でモチモチした食感のビゴリが手頃な価格で堪能できます。ここでは毎日自家製のビゴリを使用して、200グラムを豊富な種類のソースとともに提供しています。メニューには、自家製デザートのほか代表的なワインも豊富に取り揃えています。


Soave classico doc

世界中で知られるソアヴェ・クラシコ。一緒に訪問したヴェネト出身の友人曰く、地元の昔ながらのお店ではワインを小さなグラスで提供しているそうです。ワイングラスは水用、小さなグラスがワイン用、ユニークな伝統も垣間見れます。

 

 

Anatra

ビゴリの伝統的な食べ方は、「鴨肉のラグー(ragù di anatra)」です。白ワインで味付けされたさっぱりしたラグーが楽しめます。ヴェネト州の農家では多くの人が鴨を飼育しているため、鴨のラグーはこのエリアで親しまれています。

 

Tartufo

冬になると欠かせないトリュフとポルチーニの組み合わせ。トリュフソースのビゴリには、とろけたモッツァレラも添えられていて寒い時期に体が温まります。

 

Cervo, guanciale e funghi

独自の風味がある鹿肉をジューシーなグアンチャーレとキノコと一緒にビゴリをいただきます。鹿肉は赤身で硬いイメージがありますが、実際は柔らかくヘルシーな味わいでグアンチャーレとの相性が良いです。

 

 

ビゴレリア自慢のドルチェ


Sporcacciona (na botta de vita)

ユニークな名前ですが、多くのテーブルでこのチョコレートケーキを味わっている人を見かけました。濃厚なチョコレートケーキは3層になっており、甘すぎないミルクの風味が残るクリームが添えられています。

 

Tiramisù pistacchio e pan di stelle

イタリアの朝食やスナックに欠かせないビスコッティ「パン・ディ・ステラ」をティラミスにしたドルチェです。ピスタチオクリームがたっぷり添えられ、コーヒーフレーバーが味に深みを出しています。

 

Semifreddo all’amaretto

 

アマレッティ・セミフレッドは、アマレッティリキュール、クリーム、卵、粉砂糖をベースにしたドルチェです。アマレッティクッキーを砕いて添えたり、マスカルポーネを入れることもあります。シンプルでありながら冷たい濃厚でクリーミーな味が楽しめます。

 

"La Perlara" Recioto di Sove doc

ドルチェに欠かせないレチョート。糖分が高いブドウだけを使用して、じっくり乾燥させて丁寧に発酵し製造されています。ハチミツやアーモンドのようなフレーバーが広がり食後に甘いものが必要なときにピッタリです。

 


家庭で作るバッカラ料理「Baccalà alla vicentina」


 

冬の季節になると食料品店でも多く登場するタラの塩漬け「バッカラ(Baccalà)」。かつては、バッカラを調理するのに3日間はかかると言われていましたが、現在は乾燥したものを戻し塩抜きされたバッカラが販売されているので水をつける必要がなくそのまま調理できるものもあります。

 

ヴェローナ市はバッカラフェスティバルが開催されるほどヴェネト州ではバッカラが愛されています。

「バッカラ・ヴィセンティーナ(Baccalà alla vicentina)」は、ヴィチェンツァ市の象徴的な料理でヴェネト州の代表的な魚料理です。ソアヴェのレストランでも味わうことができますが、家庭でも作ることができます。

長時間煮込むことでとても柔らかくなり、牛乳を加えることでバッカラ特有の濃い味がやわらぎます。伝統ではポレンタのスライスと一緒に提供されます。シンプルさとバッカラの風味が高く評価されている料理です。

 

材料

バッカラ

玉ねぎ

アンチョビ

小麦粉

牛乳

グラナ パダーノ DOP

エクストラバージンオリーブオイル

 

玉ねぎをみじん切りにして、アンチョビと一緒にオリーブオイルで炒めます。玉ねぎが琥珀色になったら半分をバッカラに広げて乗せ小麦粉を振りかけます。玉ねぎの入った鍋にバッカラを入れ、小麦粉、グラナパダーノを振りかけ牛乳を注ぎます。3時間ほど煮込むとトロトロに柔らかくなったバッカラの出来上がり。体が温まる料理なのでぜひお試しください。

 

 

 

ソアヴェのワインと一緒に美食を堪能しましょう

 

ソアヴェには豊かな歴史があり、イタリアの伝統ワイン造りに欠かせない場所です。ヴェネト州に属していることもあり、豊富なバラエティある料理が堪能できるのも魅力です。

冬にソアヴェを訪れる機会がありましたら是非地元の味を味わってくださいね。小さな田舎町なので、1日で観光することもでき美食も楽しめる町です。


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