ザニン農園見学レポート


亀屋食品(株)ジョバンニ・ピッカルディです。今回は福岡県でイタリア野菜を作っている生産者さんがいるということで会いに行ってきました。


目的地は、農薬を使わず環境に配慮したイタリアの伝統野菜を生産するザニン農園です。
オーナーのジャンルーカ・ザニンさんは、私たちを親切に案内しながら、野菜の栽培方法や農業の世界観について詳しく説明してくれました。

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ザニン農園は、グリーンハウスと露地を含めて約6000平方メートルの面積を占め、日本ではまだあまり知られていないイタリアの伝統野菜を主に育てています。フィノッキオ、黒キャベツ、ラディッキオ・トレビジャーノ、アーティチョーク、そして特別品種のトマト、コートレット、ピーマンなど。今回の見学では、フィノッキオやカーボロネロ、カリフラワー、サボイキャベツ、そしてサラダの成長を観察することができました。



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農薬や化学肥料に頼ることなくなぜこれほどうまく栽培できるのか、それはある農法を実践しているからだと教えてもらいました。それはマネンティ農法です。


マネンティ農法とは、イタリア人のルイジ・マネンティが研究・開発した農法で、ジャンルーカさんはその直弟子です。この農法は、『自然農法 わら一本の革命』の著者である日本人研究者、福岡正信の研究と哲学にも影響を受けています。

ビエラ市にある彼らの農場で15年以上にわたって採用されているこの方法は、彼らの土地で行われた品質テストのための技術的研究でも効果的とされている。化学農薬の使用だけでなく、伝統的な農業や窒素、リン、カリウムをベースとした施肥にも反対する、まさに逆転の発想である。

マネンティ農法の目的は植物を支え、その品質を向上させる菌根や細菌を強化することで、土壌に自然の肥沃さを取り戻すことである。この農法では、農薬や肥料を徐々に排除し、バランスが回復した土壌が、野菜の力強い成長を支えるようにする。



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他にもジャンルーカさんが実践している技術があります。それはハローを使って土を耕すというものです。ハローはイタリアでワイン畑を耕す際に使用されており、ハローの歯は土に深く食い込みますが土の層は変化しません。

ハローを使用することにより、土壌に生息している植物の発育に寄与する菌根菌や好気性菌に酸素が与えられます。また、水という貴重な物資を節約する点滴灌漑システムによって、腐敗を避けるために水は控えめ植物に与えられます。



こうして栽培された植物は生命力が強く健康で、味も最高だとジャンルーカは断言していました。


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農薬を一切使わないことで、野生の生物は繁栄し、野菜自体にも必要な自然なバランスが守られている。

捕食昆虫は害虫の発生を抑え、受粉昆虫の存在によって花の受粉が保証されます。畑には在来種のミツバチの小さな巣箱があり、この豊かな農業生態系がいかに重要であるか、そして、動物であれ植物であれ、すべての生き物の生命は、このバランスの存在に依存しており、私たちは皆その一部であり、それを守らなければならないのだということを、私は思い知らされました。


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今回の訪問は、とても教育的で刺激的な経験でした。この農園は、イタリアの伝統的な農業と持続可能な農法をいかに融合させることができるかを示す素晴らしい例だと思います。

ザニン農園で作られる野菜の品質と新鮮さは他の野菜と比べても明らかであり、イタリア料理への情熱と環境に対する責任感を組み合わせた、持続可能な農業の感動的なモデルを示していると感じました。


生産性が高く、かつ自然の生態系を尊重した農業を模索することは、現代人類が直面する最大の課題のひとつです。害虫を駆除する農薬は、生態系のバランスを維持するのに非常に有用である受粉昆虫や捕食昆虫もほとんどを殺してしまいます。化学肥料は土壌のバランスを変化させ、植物の生育を助ける細菌や菌根を阻害してしまいます。


農業における環境の持続可能性について必ずしも有害な農薬に頼ることなく、品質面で優れた野菜を作る事が可能であり、環境にやさしい野菜を作る事が、農業やイタリア料理業界だけでなく地球全体の為になることを学ぶことが出来ました。