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エトナの造り手「パルメント・コスタンツァ」特集
エトナは今、世界的にも注目されているワイン産地の一つです。ワイン専門家の間では、フランス『ブルゴーニュ』イタリア・ピエモンテ『ランゲ』と並び、世界三大テロワールの一つに挙げられます。
シチリア州の他の部分とも、気候も土壌も文化までも異なります。当然そこから生まれるワインも独自のものになります。火山の麓で造られるワインがこれ程までに世界的に注目を浴びている理由の一つとしてミネラル感と固有品種がキーワードになっており、今までのシチリアにはなかったバローロやバルバレスコ、ブルゴーニュを感じさせるスタイルに仕上がっています。
エトナ山は島の東部にそびえる標高3300メートル余りの活火山で、今も毎日のように噴煙を上げていています。夏は暑いシチリア島ですが、エトナは標高が高いため比較的冷涼な気候を持ちます。この標高の高さが他のシチリアワインの産地と大きく異なるところです。昼夜の寒暖差も大きく、ブドウはしっかりとした酸味を蓄えることが出来ます。
「パルメント・コスタンツァ」は、火山性土壌に根付いた地場品種(ネレッ ロ・マスカレーゼ、ネレッロ・カップッチョ、カリカンテ、カタラット)のみを栽培。ミネラル感の塩味とエレガントな酸味を兼ね備えたエトナ特有の味わいが有ります。品種の個性、 ぶどう本来の味わい、テロワールを表現することにこだわったワイン造り、栗の木を支柱としたアルベレッロ仕立てを続けるなど伝 統を遵守するワイナリーです。
「パルメント・コスタンツォ」は2010年、コスタンツォ家によって設立されました。 エトナ山の斜面で栽培されたぶどうから、エレガントでエトナの自然を表現したワイン造りを目指しています。 彼らの冒険はエトナ山の北側、カターニア県のパッソピッシャーロにあるコントラーダ・サント・スピリト地区 に一握りのぶどう畑を購入したことから始まりました。フィロキセラ禍を生き延び、自根のまま生き続けてい る畑(プレ・フィロキセラ)も所有しています。 また、溶岩石で造られた「パルメント」と呼ばれる古いワイン醸造施設を修復し、グラヴィティシステムを 取り入れた最新のカンティーナを設立しました。 現在、パルメント・コスタンツォ社はエトナ火山北部のパッソピッシャーロ、同南西部のサンタマリア・ディ・ リコディアに合計で18haのぶどう畑を所有しています。エトナは生物多様性「バイオダイバーシティ」の 宝石箱と呼ばれており、それにより類まれなテロワールを有しています。 同社は、ぶどう畑を土壌の性質などによって細分化し、ワイン、畑の区画によって醸造方法(樽の種類 や大きさ)を細かく変えています。また、コントラーダ・サント・スピリトの3つの区画のぶどうは、Ovum と呼ばれる卵型のオーク樽で熟成させています。 同社はヴァレリア・アゴスタ・コスタンツォと娘のセレナが若くて熱意あふれるチームを牽引し、品種の個性、 ぶどう本来の味わい、テロワールを表現することにこだわったワイン造りをおり、 デキャンタ誌のベスト100ワインの第15位に選ばれるなど評価も高まっています。